マインドフルネス入門

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土曜日はマインドフルネスの日にするとよいですよ、とティク・ナット・ハン師がにこやかに仰せなので、エンドレスな仕事はしないで心静かに過ごすようにしている。マインドフルネスで甘検索すると、凄まじい汚れっぷりに引くんですが、やってみるのはよいものです。ハマるに違いないと危惧した通りに進行している。マインドフルネスという英語は西洋仏教の用語で、日本語では「念」。正念場、も元は仏教の言葉だと調べて知りました。原典パーリ語で Sati、サティアンと関係ありそうな雰囲気が漂う。オウム真理教のせいで上座部仏教のイメージが致命的に損なわれている日本。日本人の宗教アレルギーはそれで一つの宗教ですね。

マインドフルネスは禅宗の流れで、平たく言うと呼吸法と座禅、それだけ。その簡単さが西洋人に受け容れられたのでしょうか。日本で禅といえば「そもさんせっぱ」とか、後ろから棒で肩を叩かれたりとか、やはりちょっと意味がわからない。入り口のハードルをなくすのって大切です。

もともと本屋で心理学の棚に行くと、認知療法の仲間みたいにマインドフルネスがいたので、禅とは知らなかった。IT 系意識の高い人も好きですよね、マインドフルネス。これは Google とジョブズのせいらしい。言葉だけ聞きかじって近寄らなかったのに、カンバーバッチがですね! カンバーバッチのプロダクション SunnyMarch 製作の『Walk With Me – マインドフルネスの教え』を観てしまったんですよ。六月に(Filmarks)。カンバーバッチは朗読だけなのに…。上記ティク・ナット・ハン師の僧院プラムヴィレッジのドキュメンタリー映画です。

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Walk With Me は、「共に歩もう」みたいな大仰な感じではなく、ただ散歩するんです。歩きながら呼吸法。歩きながら瞑想。数多あるマインドフルネス本の源流は映画にちらっとだけ出てくる The Miracle of Mindfulness:

なぜか訳語が「気づき」で、探し出すのに苦労した。プラムヴィレッジは怪しい新興宗教に見えてしまう(日本人にはね)が、本はとてもやさしい。ティク・ナット・ハン師、いい人です。おそらく原文 practice の訳語が「練修」なのもちょっと…。ふつうに「修行」でいいじゃないですか。

ほかに読み中の参考文献たち: