三度出会う(沖縄)

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九月に台湾に行った時、翡翠屋さんのマダムが沖縄の生まれで、桜坂という場所が猫だまりという話(若旦那が台湾猫ブロガーなので)と、定宿の民宿を教えてもらったのをご縁にして、沖縄に行ってきた。ずっと課題だったけど、遠くて未知で行けなかった土地。やっと行けた。

11/21 調布からリムジンバスで羽田空港。佐藤水産のおにぎり(ジャンボミックス!)で朝ごはん。フライトは三時間で、台湾と変わらないくらいの距離だし、着いたのは台湾と同じくらい異国だった。26℃ で上着も靴下もいらない。沖縄には鉄道がない(基地があるから)。ゆいレールの二日乗車券を購入して市民病院前まで。丘の眺めが異国だ。その丘を少し登ったところにあるしむじょうという古民家で昼ごはん、本ソーキそばと三枚肉そば。非常にうまい、流れる空気がすばらしい。いきなり最初からリゾートに浸って、やられた感。ゆいレールで一駅進み、首里城まで歩く。道を歩けばシーサーだらけである。井戸が凄かった。何か棲んでた。道端に青いバナナが生えてた。首里城の隣の玉陵(たまうどぅん)から拝見。遺骸を安置した後に洗骨するとはどういうことか…。全て納めるので骨壺も大きい。いろいろと異国なのである。三大ガッカリ守礼門をくぐり、首里城は山城である。広くて登る。外国の方々だらけだけれど、土地はガランと清々しい。いい城だったのだろう。その地下に壕を掘ったのだ、日本軍が。そして琉球王国は全て燃えた。入場料を払った建物の中に入らなかったら、広場しかなかった。入場料が WAON で払えるってのが、イオン資本の出しゃばりでいやん。金だけ出せよ。南側に琉球王国時代の石畳が少し残っている。坂道である。猫もいたね。樹齢 300 年の大アカギが凄かった。霊気に満ちていて少し耳が圧迫されるほど。また必ず行かなければならない場所。登って戻りに休憩しようと思っていたカフェが、行って戻る間に閉店してしまい難民化。首里城のレストハウスで休んだ。そうそう、沖縄ボトラーズのさんぴん茶がうまいね! その土地でしか飲めないものを飲みたいので、これはうれしい。滞在中、切らさず買った。どこでもある UCC の赤い自販機に入ってます。龍潭という堀のような池(かつて王国の舟遊びが行われたという)で、またぼんやり。首里城はとてもいい。ゆいレールでおもろまちのでかいホテルに投宿。駅から何らかのモールに繋がるのだが、そこから出られない構造になっていて、あれはダメだ。ダメ出し。米軍払い下げの土地の開発らしい。もう一度ゆいレール、次はいよいよ中心地の国際通りの牧志に降り立つ。店先の客引きが三線を爪弾いている。昔の国際通りはさぞかし観光街だったんだろうな!と思いながら端まで歩いて(那覇市役所が妙にかっこいい)、夜ごはんにジャッキーステーキハウス。カオスな行列である。30 分ほど待って入った店内は昭和なアメリカンダイナー。肉はうまかった。少し元気を取り戻し、歩いて国際通りに戻り、ブルーシールのアイス食べた。うまかった。もっとジャンクなものを想像していた予想を裏切り、上質なアイスクリームでした。初日終了。

11/22 小雨で開始。止む天気予報に賭けてカサを荷物と一緒にコインロッカーに預ける。三笠食堂のちゃんぽん(三笠風)で朝ごはん。店の風情がよい。バスターミナルに歩き、コザ行きに乗る。コザってカタカナ表記の土地なんですね。午前中の乗り物の宿命として寝て景色が見られない。基地の住宅の横を通ったそうです。曇り空で歩くと東西南北がわからないわたくし。ゲート通りがまた異国だった。ゲートから出てくる自動車の運転席が皆、休日を楽しむアメリカ兵な訳ですよ。コザではレコード屋に二軒(普久原楽器、キャンパスレコード)行って¥3,000 という昭和価格の CD を二枚ずつ買った。三線が欲しくなる! あとなぜかコザでスーパーに行って惣菜のかぼちゃサーターアンダギーとか塩せんべい(うまい)とか仕事場みやげのウコン茶ティーバッグとか。帰りのバスを伊佐で途中下車してタコスのメキシコに寄る。ナガオカケンメイが世界一と激賞するので行ってみた。よかった。ここもまた必ず来たい場所。那覇に戻ると夕方だった。コザは丸一日かかる。荷物を出し、台湾から教えてもらった国際通り裏の三和荘に向かう。桜坂の細い路地を通ると、猫が道案内してくれた。荷物を置いてすぐ出て商店街を歩く。日曜日は開いていない市場の古本屋ウララに間に合って、いい店でした。沖縄の本しかない。沖縄のおさんぽという横長の本、判型は同じなのに東京で買ったのと何か違うな?と手にとってパラリと見えた銀の指輪と恋に落ち、資料として買うことにした。あと、とんぼの本。これもよい本です。市場がとても楽しい。生搾りさとうきびジュースなんて初めて飲んだ!(目の前で搾ってくれます)。国際通りに出て夜ごはん、A&W。ルートビアうまいやんけ。ハンバーガーも正統派でうまい。本土でも展開してほしい。昨日は反対側だった久高民藝店を拝見。平均点 70 点くらいの店である。また、銀の指輪と目が合う。これさっきの本に載ってたやつかな、あちこちにあるのかな?と思いながら、何も買わずに去る。桜坂劇場も拝見して、二日目終了。沖縄のおさんぽを開き、銀の指輪は金細工(くがにぜーく)という、琉球王国の工芸品であったことを知る。工房は首里、行けないなー。取扱店はなぜか Beams、とか調べながら寝た(MacBook Air 持ってますが何か)。

11/23 宿に近い丸安そばで沖縄そばの朝ごはん。繁盛でしたけども個人的には最初のしむじょうの印象が強いです。農連市場は日曜日ですから完全に閉まっていますが、再開発は惜しいねぇ。あの牧志に國場組が建てているビルもかなり意味がわからない、何がしたいのか。三日目はひめゆりに行きたいと希望を出していたのですが(沖縄戦のことが知りたいです)、昨日一日コザで那覇を見ていないので、ひめゆりはまた行きます。市場で天ぷら買い食いしてから空港に荷物を置きに行って戻って、毎日行けそうで行けなかった千日でアイスぜんざい。繊細な氷でした。お豆は金時、やさしい味。そしてゆいレール、二日券=48 時間券をフル活用して安里。ゆいレールはどうしてあんなにグネグネしているのか、理由を知りたいものです。牧志まで歩き、久高に昨日の銀の指輪を見直しに行く。結び指輪。「またよし」とありましたので正に金細工でした。もう一軒、琉球氏族の古道具の店の予定があったのでまた通り過ぎて、花笠食堂で昼ごはん。恐る恐るテビチ煮付けというものに挑戦してみましたが!肉じゃない!コラーゲンしかない!(豚足)。食堂から奥に抜けると桜坂の公園。あまり猫に出会えず。やちむん通りを流して(焼き物を買うのは難しいねぇ、何も選べなかった)、突き当たりにまた何かが棲んでいる井戸があった。戻って古道具屋が期待より雑な店で見られず、商店街から国際通りに出ると高校生のマーチングバンドがやって来た。とても立派なパレードでした。面白いな那覇! 三度目の久高、結び指輪を出してもらう。ものすごく力強く美しい指輪だと思う。23 号で中指でもブカブカなのに、もう出会うことはないから買った。革紐巻いてストッパーリング付けて、身に着けている。とてもうれしい。コンビニでブルーシールのポーラベアー買い食いして牧志駅前、そろそろ空港に。ゆっくりみやげを見る。評判のよい雪塩ちんすこう(別に…)、黒糖ロイズ(濃い)、頼まれもののロイズ石垣島の板チョコ(塩味)も無事発見。紅型模様の麻みやげ用バッグを買って無理矢理機内持ち込み荷物に仕立てる(激重)。あ、紅型の手ぬぐいないかなー?と探したけど見当たらず。夜ごはんは空港の A&W、二回目。ルートビア気に入ったね。ちょうど日暮れに西の海を眺め、結び指輪を大事に出した。最後にブルーシールのパッションフルーツと、ポーク玉子おにぎりは夜食に。沖縄すばらしかった。また行く!

結び指輪

結び指輪
価格:16,200円(税込、送料込)

後日譚:今日マチ子『cocoon』は立ち読みで死ぬほど泣けて買えなかったのですけど、読むべきだろうな(ひめゆりの話っぽい)。

COCOON