あけぼの、祖父の葬儀

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寝台特急あけぼのが廃止になるという噂がある。トリオさんが一ヶ月前の朝一にみどり窓口に足を運んで(なぜかえきねっと対象外)チケットを取ってくれた。個室は満員、B 寝台の開放になった。上野を 21 時過ぎに出るので、12/19 の仕事の後、上野に向かう計画。12/20 に休みを取って万全の準備を整え、荷造りをしていた 18 日夜、一ヶ月前に一度危篤に陥った母方の祖父が亡くなったとの報が入る。葬儀は 12/20(金)。何という引き…。よく考えたが、あけぼののキャンセルは難しい。もうチケットが取れない。祖父の葬儀のために乗れなかったら、その方が後悔するので、強行軍で乗ると決めた。礼服一式担いで仕事に行った。予定休が忌引になりましたという報告をして、木曜日は働く。中野駅でトリオさんと落ち合い、総武線で秋葉原に降り立つともの凄い帰宅ラッシュであった。千葉方面に帰る人たちである。上野駅は冷たい雨。洋食黒船亭でステーキ丼(慎んでいない)。隣のルノアールで充電しつつ、関西の父母と弟に明日の到着予定のメールを書き、即電源を落とす。iPhone が 57% くらいまでしか戻せず、やや苦しい見通し。上野駅までの帰り道にヨドがあるので、モバイルバッテリーを調達することも可能であったが、通り過ぎてしまった。 上野駅でペリカンのパンが買えるという「のもの」という各国物産の店に行ったが、夕方に残っているはずがなかった。秋田のバター餅を夜食に求める。バターを練り込んだ甘い餅という高カロリー食で、マタギの保存食だとか。うまいけどさ。あけぼのには食堂車も車内販売もない。寝るだけの寝台列車である。お茶とおにぎりなど買い、21 時前の 13 番線入線を待つ。ブルートレインの重々しい車体は本当にかっこいい。客車の中には寝台が延々と並んでいるのが窓から見えて、見慣れた電車の景色とはまったく違う。乗り込むと皆さん、発車前から即カーテンを引いて寛ぎ開始。なるほど。寝台列車では静粛が求められるのである。ハシゴを上がって上の寝台で荷物を解く。なかなか快適である。あけぼの唯一の電源が洗面台にあるというので充電させてもらいに。一時間くらい立って見守っている間、厳しく後悔する。洗面台に立って乗る寝台特急とはモッタイナイにも程がある。90% まで充電して、モバイルバッテリーがあればこの間、寝転んでいられたのに。寝台に戻る。列車の響きが重厚である。寝転んでゴトゴト電車に乗ったことがありますか? 最高に楽しいよ! 冷えてきて、コートを布団の上にかけてやがて寝た。途中、長い停車時間があって目が覚める。10 分でも遅れたら関西に行けないのである。動き始めてから安心してすぐ寝た。
12/20 間もなく秋田、とアナウンスが入る。寝台列車は夜の中を走るので、車窓という概念はない。まだ真っ暗だった。少し明けた頃に秋田駅に定刻で到着(6:38)。夜中の停車は時刻表通りだったのである。時間がシビア。焦って駅の中で迷いつつ、バスターミナルに出て、6:50 の秋田空港行きリムジンバスに乗車、旅程を進むトリオさんと別れる。7:25 空港着、予約しておいた航空券を定価で現金払い、8:15 ANA に乗るという綱渡り。初めて地上(ランプ)に降りてタラップ(階段)で機内に入る小さい飛行機だった。母親に「冬の嵐で飛行機は飛ばない」という呪いをかけられたのだが、天気は回復した、けど飛行機が揺れてヨレヨレに酔った。伊丹空港には父に迎えに来てもらった。10 時に伊丹に着いたのである。こんな激しいことをしたのは初めてでした。父母のマンションで礼服に着替え、のんきに集合時間 15 分前に駅に着いた弟をピックアップして尼崎で祖父の葬儀。浄土真宗。家族だけというがその家族が多いわ。孫が全員揃った(会うのは祖母の葬儀以来 11 年ぶりとかである)。火葬場での待ち時間が長く寒くげんなりする。あそこで風邪をもらったと思う。年明けまでずいぶん長引いた風邪だった。火葬場は三回目。人生に何度もない貴重な機会である。夜はアルカイックホテルで会食。たらふくフグを食べさせてもらった。父母のマンションで弟と少し話せて楽しかった。
12/21 朝食は弟が食べログで探したモーニングを出す喫茶店(珈琲蔵人 珈蔵)に行った。父母はそういうことに慣れていないし喜ばない。駐車場の車の中で改まって遺産分けの話。弟の運転で阪急西宮ガーデンズに行く。今度は自分がモールというものに興味ゼロ。豚しゃぶの店で早めの昼食(昼になると混むから)、弟の昇進祝いということで父からビジネス用旅行カバンを見繕い、自分はオレンジページの店?を見かけたので OXO ポップコンテナ(高いのよ)と京セラのセラミックミルを買ってもらった。ありがとうございます。車で新大阪駅(とん蝶を買う)、弟と二人で新幹線。弟と話すのは楽しいのです。新幹線アイスクリーム(スジャータ)がわりとうまいよ、と教わって一緒に食べたり。
あけぼのの後、岩手の大沢温泉自炊部に行く計画で、叔父が「また行きな(大阪弁)」と、たいそう同情して下さった。